〝大切なこと〟2004

   2004-10-1〜2004-12-1

 

20041201 21世紀の市民

 私は介護士として、また縁あってヘルパー研修の講師としての役目をいただいています。そこで得たものをくらしの支援NETWORKに生かし、またそこで培ったものを市民社会に返そうとしています。
 支援ネットは誰もがその主人公になりうる場で、その人がその人なりの持っているものを発して欲しいと切に願っています。発する人も受ける人もそこに生まれるものが良いものになりますよう、心を注ぎたいと思うのです。
 先般、京都経済短期大学のシンポジウムで支援ネットのこのような実践が、これからの地域社会での市民活動のあり方を示唆していると高く評価され、私たちのこれからの活動に自信とやりがいをあたえていただきました。
 酉年に向けてもうひとつ羽ばたいて支援ネットを育てていきたいと思います。どうぞ多くの方々の創り手をお待ちしています。そして、このような集まりが全国のあちこちで生まれますことを願っています。

20041101 ホームページ

 ホームページを起ちあげて1ヶ月、思った以上の反響でスタッフ一同とてもおどろいています。皆さまからの励ましのお言葉から、「頑張れ!」とまたひとつ勇気をいただいたと感謝しております。支援ネットの活動の中身がよくわからないという方には、支援ネットを「共に創って下さい」、「共に育てて下さい」とお伝えしたいと思います。支援ネットの「共に暮らしを創る」願いは、設立当初から変わりません。そして私たちスタッフの想いも回を重ねるごとにより純粋に磨かれてきているといえます。
 私はたまたま介護士ですので、介護を通して「暮らしを創る」ことへアプローチしたいと考えています。参加者のヘルパーさんたちの中には、利用者さんの「暮らしを創る」その協同作業としての仕事をよりよいものにと、支援ネットを自分自身の研鑽の場としてとらえていらっしゃる方も多くみえます。
 ご近所の85歳のMさんは、来るひとを絵手紙で喜ばせてくださいます。来るひとたちはその前向きな人生に接してふかく感じ入るところがあるようです。重度の障害を持つ友人は自分の得意とするもので支援ネットの広報担当として技術提供しています。また以前介護士として社会的な役割を果たしていた方が、脳卒中の後遺症で片麻痺の障害をもちながらも介護の学習の場に参加してくださることで、私たちの学習の場がより幅広く価値あるものになっています。自分には何もないと思っている方も、ここに集まるひとたちのエネルギーをもらって元気になり、それでまたひとを喜ばすことができるようになります。すべてのひとに備わっているそのひとなりの潜在能力=capabilityを発達=developmentさせることのできる社会こそが、これまでの福祉=welfareを越えてこれから求められる普遍的福祉=well-beingだろうと考えます。
 支援ネットは、簡単に言えばただそれを実践している相互作用の集合体です。ですから支援ネットはみんなで育てていくものなのです。それにはやはりひとが発しているエネルギーを感じ合うことが何よりも大切です。
 支援ネットの参加者である0歳の赤ちゃんから95歳のおじいちゃんまでが支援ネットのその主人公なのです。

20041001 くらしを創る

 いまの暮らしが老いてからの暮らしを創っているとしたら、そして自分の暮らしが他の人々との関係の中で響き合っているのだとしたら、今という時間の、その土壌をたがやしていくことに想いを注ぎたくなりませんか。
 それは、趣味を生かしてひとを楽しませたり、みんなのために面倒な雑事をこなしたり、料理の好きなひとが作ったささやかな昼食でひととき幸せになれたり、車いす使用者が当事者の体験をひとに経験させてあげたり、ヘルパーが対等な関係の中で介護者や家族の本当の気持ちを学んだり、くらしの支援ネットワークの集まりはひとそれぞれに創られていきます。暮らしを創るその呼びかけは、自分の暮らしは周りの人々のそれと響き合っているからです。
 ひとがこうした関係の中で他者に与える働きこそ本来の労働ではないかと思うのです。

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