■絹川雅則(まちづくりチョビット推進室/公成建設)
台風の雨の中 車いすの島田さん、92歳の最高齢の森さんをはじめメンバーが集まってこられる。きつい雨の中、この定例会が楽しみ・・・と集まってこられる。
その数10余名。
メンバー編集によるNHKの震災関連と幸福度指標の内閣府研究会のビデオを題材に討論が始まる。
討論・対話がきちんと成立していることに驚く。
表面的な部分ではない深い話を良しとする雰囲気がここにはある。
初対面にもにも関わらず、つい発言に参加している自分に気付く。
普段なら口にしない言葉が自分から出てゆく。
「三等市民・・・」自分の言葉に驚きながらも、自らの建設業という職業に自分はコンプレックスを持っていることに気付かされた。
う〜ん。これも北川さんのファシリテートのなせる技なのか? みごとなビデオ編集力によるものか?
10年に渉り、「まちの縁側」「地域の居場所」を続けてこられたその秘密を、もうすこし取材させていただこう。そして、北川さんがグループリビング研究会に何故興味を持たれたのか? 聞かせていただこう。
■島田和子
ドキュメントを見せていただいて、皆さんの意見を聞かせていただいて良かったです。
ふだん感じないことを思い出させていただきました。
幸せは価値観が千差万別で難しいです。ドキュメントを見て、家族の絆、地域のつながり、人と人の絆が幸せに結びついているように思いました。
私は若い頃は、健康が幸せだと思っていました。その年齢に体験する普通の生活がしたいと思っていました。学校行って、友達と遊んだり、学校を卒業する年齢になると仕事がしたい。恋をして結婚をして、子供を産んでと・・・
「不幸な家庭はとりどりに不幸だが幸せな家庭は似通っている」と誰の言葉か忘れましたが。幸せは失ってから気づいたり、人と比較して感じることが多いような気がします。
■小西次子
「ある震災被災地の選択“を見て
東日本大震災を受け、家族の絆が見直されています。しかし、家族の絆は気の持ちようばかりですませてはだめだと思いました。家族の絆だけにとらわれず、あの場(支援ネットの場)でも出ていたように、“幸せとは思えない人たち”にも心を寄せられる人でありたいと思います。
仮設住宅に入居せず、村に残ってみんなで力を出し合って震災後を乗り切ろうとしているリーダー“倉”さんと村の人々・・・・・。永年培ってきた絆の強さ、忘れられつつある日本人の良さを思いおこさせてくれました。
「“幸せはどこにある” 幸せだと思えるあなたの心の中に幸せはある」
母がくれた某寺の住職さんによる日めくりの言葉。
もらったときに説教くさくて鼻につくなと思うこともありましたが、このごろどの言葉もスッとはいって「そういう考え方もあるんだな」「そうや そうや・・・」と思うようになりました。
いつもセンスの良い仕上がりのビデオありがとうございます。てっきり市販のビデオだと思っていました。
■北川美子
“ある震災被災地の選択”ドキュメントDVDを見て皆の意見をまとめてみました。
- ▷感動した
- みんなと一緒に苦難を乗り越えようとした。
- 砂糖かして!醤油かして!昔はあった隣近所の付き合い、懐かしいでも今はない。となりの人が何しているかもわからない社会の構造がある。
- ▷幸せとは・・・・・
- 心の中の問題、整理されないまま何が幸せなのかわからない。
- 社会に出てうまくやっていけるのが幸せなのか・・・
- 幸せとはその時々で変っていく。
- 幸せとは人それぞれ。
- 何事も幸せと思ったら幸せ。
- ▷常からの基盤
- 孤立した状態であそこまでやれたのには常からの基盤があったのだろう。
- ▷損得勘定
- リーダーに従わねばならないことは利害に関係なく従う姿勢があった。しかし、私たちのくらしの中では損得を考える・・・・・
- ▷リーダーの重要性
- ついていけると思えるリーダーだからあそこまでついていけた。
- ▷新たな問題への対処
- 底から湧きあがった力で乗りきったから、新たな問題が出て来ても乗り越えられると思う。
- ▷連帯感
- 状況は苦しいけれど、同じ思いを持って歩める仲間がいた。そこで創り上げていくことへの連帯感は人として重要。
- ▷私たちはどうする
- 私たちは恵まれていると思った。高望みはしないこと。今おかれている立場の中で幸せを紡ぎたい。
- ▷20年前
- 震災のドキュメントを見て、年金暮らしのものにも20年前のくらしに比べると随分便利になったのだと思えた。
以上一巡した大まかな皆さんの意見です。後これら感想は意見交換され、さらに深まりました。
私はドキュメントの中にひとつの大切なことを見つけました。
不況とは言うものの、経済的に豊かな社会は一応築かれた。けれどそれは決して人と人との繋がりを築いてこなかった。経済的な安定、それが人と人との繋がりに結びついてくるような社会の構造、それをどのように紡いでいくか、それがこれからの課題だろうか。私たちに出来ることはなんだろう・・・・・
いろいろ考えるよい機会となりました。今の社会の行く途に流されないで今回のように自らを見つめる時間を持ち、意見交換することは重要だと思いました。
■橋詰ひとみ
もし家や家族、自分の築き上げたものが、すべて無くなってしまったら、当分私だったら立ち直れそうも無いです。家族の大切さを新たに感じました。帰る所、自分の居場所があるという事は、幸せに繋がるのではないでしょうか。
いま私に何が出来るか? ささやかな義援金、病気にならなように気をつけたり(医療保険の無駄遣いしない様)、缶ビールのタグ集め(ドラム缶いっぱいで車椅子1台との事)、家族に心込めて食事作る事。ディに来所される利用者さんに笑顔で過ごして頂く事。お会いするすべての方々のお心を傷つけない様に努力する事。前向きに生きるよう努力する事。かな?