くらしの支援NETWORK

 
Flash Report

あなたの年老いてからの生活は
在宅・施設・それとも病院?

 

2010.09.15
あなたの年老いてからの生活は
在宅・施設・それとも病院?









くらしの支援NETWORKでは
 参加者とは創り出す当事者のことです
 たくさんの当事者のみなさんに
 〝トークセッション〟をありがとうございました










小川久美子さん







■ 小川久美子
呼んでいただいてありがとうございました。
仕事を通じて感じていた疑問--------高齢者がなぜ長期入院となるのか、退院できないのか-------を北川さんに吐露したのがきっかけで、皆さんとともに意見交換できました。
介護職同士でなく、実際に介護しておられる家族の方、自身が高齢と向き逢って支援のかたちを考えておられる方々と意見交換できたことは、とても意味あると感じました。かすかながらも方向性が見えてきます。上からではなく地域の具体的な状況にあわせた一歩が見いだせ、実態に合わせた具体的な処方、処遇が創っていけると感じました。
待っていても見せてくれない理想の老後。
私は、自らが築いていく以外にないと思います。繋がりながら・・・。『ブレーメンの音楽隊』を夢想しながら楽しいひと時を過ごさせていただきありがとうございました。


自由に思っていることを生き生きと発言できる雰囲気で楽しい場だと感じました。




■ 梅田ゆき子
最近、近所で残念な事例がありました。かなり高齢の独居の女性が骨折をして入院。約一年間、病院、施設などで過ごし、ようやく自宅に戻りました。骨折は完治せず、痛みを抱えたままの帰宅でしたが、介護保険サービスをめいっぱい利用して、身内の人、近所の友人達に支えられて、もとの一人暮らしを始めました。しかし、2ヶ月後、すっかりやつれた彼女は、「もう、一人暮らしのこの家には帰って来ない」と言い残して病院へ・・・。痛みを抱えての一人暮らしは相当厳しかったようです。


今回の介護研究会では、参加者の気持ちはほとんど「最後まで在宅」のようでしたが、90歳のMさんは、「石にかじりついても在宅で」と思いつつ、ご自分のそのときの状態、身内の気持ち、他人への迷惑などを考えるとどうなるかわからないと、「在宅」を断言されませんでした。これが現実なのだなあと思いました。
在宅、施設、病院それぞれ長所、短所があります。どこに居ても快適に自分らしく暮らせるようにするには、どうすればいいのか、問題が大きすぎて答は見当もつきません。とにかく、とことん考えて、情報を集めて、最後には自分で決めるということでしょうか。そのためには、今回のような勉強会が欠かせないと痛感しました。このテーマの続編、続々編、よろしくお願いします。
「施設での暮らしも捨てたもんじゃないよ」みたいな話も聴いてみたいです。




■ 橋詰ひとみ
森さんが隣りの席でそんなに度々お会いしている訳じゃないのに心休まる思いでした。帰り私の細い?腕をもたれて歩かれたのですが私よりずっとお年召されているのになぜかしら愛しく思いました。ちょっと失礼!!
病院介護士の小川さん、仕事に対しての熱意がひしひしと伝わって来ました。次々と勉強されて資格取られた気持ち良くわかります。すればする程、奥深くなり、これって最終が無いですよね。あ~ここにも頑張っている人がいるんだ~と思いました。
正直、自宅で最期を迎えたいと思っている人がほとんどだと思います。でも現実は病院ですね。核家族になったからか?寿命が延びて老老介護になったからか?その時その時に対処出来る、柔らかい心を持てる様に年を重ねて行きたいです。体が少しずつ老いていく事を素直に受け入れていける人になりたい。その為には、ずーっと人生を勉強して行きたいです。
森さんが、今日も「最期にいい人生で幸せやった。皆ありがとうってお爺さんが言った様に言いたいわ」と言ってらっしゃいました。私も一緒です。先の事はわかりません。今のこの時を大事に、過ごしていきたいです。支援ネットワークで今日も大変有意義な時を過ごさせて頂きありがとうございました。




■ 河内 一
小川氏が仕事をされていく過程で、ヘルパーの仕事に誇りを感じ、熱心に仕事に励んでこられた様子が節々に感じられ、とてもいいトークセッションでした。
特にこの仕事を続けていかれる中で、高齢者のすばらしさ優しさ、暖かさが解って来たとレジメに書いておられますが、こんな人に介護してもらえる高齢者はとても幸せだなと思いました。
話の中で、医師、看護士、リハビリスタッフ等の方々が一つのチームとして退院後の生活を含めて支援していく組織はこれからの医療の方向としてとても必要だと思いました。
また、在宅に帰れる患者さんが稀だという話は現実だとしても残念です。どんな病気でも社会的入院が多いことがよくわかりました。)
今日のお話をお聞きする中で、一番いいなと思ったことは小川さんが厳しい仕事をされているにもかかわらず、楽しみながら(?)生き生きと仕事されている様子が伝わって来たことです。




■ 島田和子
介護をする家族の立場、介護を受ける人の立場、職業として介護をされる人から見た介護と・・・いろんな意見を聞かせていただいて考えさせられました。難しい問題ですね。
介護を受ける者としては、遠慮とか気兼ねはどうしてもしてしまいます。 相手の立場を考えたり大変さを思ったりするからです。 介護をするほうも大変だと思います。
夫は私の父と母を介護してくれました。 母は私達が結婚して6ヶ月で亡くなりました。きっと私のためにしんどいのを我慢していたのだと思います。病院で診てもらったときは手遅れで末期の肝臓ガンでした。医師から3ヶ月の命と宣告されて、あっという間に逝ってしまいました。ショックで私の精神は悲しみを通り越しておかしかったです。父も同時期に直腸ガンになり当時は父と母の介護で夫は大変でした。私の世話もかな?
夫は父を12年間、介護してくれました。下の世話もイヤな顔ひとつせず、良くしてくれました。父は病院を嫌がり、入退院の繰り返しでした。・・・父は目も中心が見えていなくて、人工肛門もつけていました。肺も片方の3分の1しか機能していなくて、糖尿病もありました。
私は父と母の苦労を知っているので夫には感謝しています。難しい問題ですがお互いに相手を思いやる優しさがあれば良いのではと思います。病院や施設に任せっきりは寂しいと思います。




■ 山田俊哉(京都市消防局救急課)
自分が携わっている救急という仕事と小川さんのお話がなかなか結びつかず、考えがまとまりませんでした。あくまでも素直な印象です。それでも、いつもと同様に、元気はもらって帰りましたが。


家ですか、施設ですか、病院ですか。という話、これも自分の素直な印象ですが、はたして本人の希望を最優先が良いのかなと思いました。
家ですか、施設ですか、病院は、身体のこととか、病状とかで、しかたなく決まってしまうのではないのかなぁ。と思います。それらを自由に行き来できるなら、希望最優先でよいのかもしれませんが。


しっかり調べたわけではありませんが、高齢者の急病の搬送は全体の約6割ぐらいかと思います。家からにしても、施設からにしても、我慢しすぎてから救急車を呼ぶ、ここまで辛抱しなくてよいのに、というパターンが非常に多いように思います。


今回の感想は、ちょっと的外れかもしれませんが、生きることと活きることについて、もうちょっと考えてみようと思っています。




■ 北川美子
今回のタイトルから受ける反響がとても強かったと思います。8月が休みだったにもかかわらず29名の場の創り手があったことは驚きでもありました。同じ地域の初めての方の参加者もあり、こんなときは続けて来てよかったと気持ちがハイになるものです。


山田さんの感想にもありましたが、今回の課題をさらに深めて『生きること』と『活きること』に視点を当てると答えが見えてくるような気がします。在宅にしても、病院にしても、施設にしても、ただ『生きる』から自らが『活きる』ということ、制度政策こそ、もっともっとそこのところを大切にしていかなければならないのだと思います。
そして利用者もまた『活きる』ことにどん欲になることが人を動かすのではないかと思います。機会を得て皆さんのご意見を出し合って意識を高め、人が『活きる』ケアチームの質の向上に寄与できればいいですね。


今回は立命の産業社会学部社会調査士過程の先生、学生さんのインタビューと参加があり、インタビューを受けながら答える私が初心を振り返る機会となりました。そのインタビューの質問は『今までNPOだとかの組織にしようかと思われたことは?』、『会則は?』、『約束事は?』、『続ける秘訣は?』他でした。
場を創りはじめて10年近くになりますが、共に場を育ててくれた方々ありがとうございました。と新ためて思いました。




■ 吉川美幸
毎日の暮らしの中で、瞬間湯沸かし器のように、自分の来し方、明日、行く末が、忽然と気になったり、まぁ、いいかぁー、何とかなる、何とかなって来たから、ここまでこれたのだぁー、と、自分を、奮い立たせて、過ごしています。
先日の勉強会に参加でき、「その人なりの生き方の輝き」、このキーワードを、自分なりの基軸に、過ぎた「介護」のことも含めて、自分が、介護されるようになる時、介護してもらう方と、どのようにお付き合い出来るか、とみに、森様のお話に、何十倍の勇気をいただきました。
毎回の参加から、一つ一つ吸収して、前向きでいたいとおもいます。




■ 小西次子
『人の世話になりたくないのに介護を受けなければならない身体になる』
そんなとき小川様のような姿勢の介護士さんに巡り会えたら、つらいけれど自分なりの生活を取り戻そうという気持ちになれると思います。
意見を言う人を単に文句たれととらえず、積極的で、制度を変えて行くことのできる人と考えられることは資質を高めることにつながっているでしょうが、せっかくの力もチームが充分機能していないために活かしきれていない現実、それはなぜか、どうしたら変えられるかをもっとみんなで考えてみたかったですね。
べったり一緒にいても何の苦労にもならない方はともかく、『しんどい』、『自分の時間が欲しい』と思いつつ日々介護しておられる方、一刻も早く介護サービスを利用してご自身の心の、身体の健康を取り戻して!と切に感じました。たとえ家族であっても気持ちのよい距離は大切で、それがとれてこそお互いいい関係でいられると思います。
貴重なお話をありがとうございました。ところで重鎮Hさんのお姿が見えませんでしたが・・・