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2012年 5月 16日 こころのカタチfinal



こころのカタチの履歴は、
「あなたはだれ?」(2003)
「目標指向的リハビリ(介護)」(2004)
「マクドナルド介護」(2006)
「教室は目の色で分けられた」(2007)
「みえるもの」と「みえないもの」(2008)
「あること」と「あるべきこと」(2009)


ファイナルは〝支援NET100回の軌跡〟の総まとめとし て、10周年に向けたこころのカタチをスライドにしてたどりました。

くらしを創る  VOL.99  記録

(筆記:小川久美子・TXT化:小川悠)



(日時) 5月16日 13時から16時30分
(内容)
○下見の報告:  5月14日に1時間程、椅子の並べ方、茶・菓子、若い人を引き付ける為の工夫は?
     会場費は10時から18時まで使用で3万円弱位、昼食も共にし、共同して当日を創ろう
   ○西村先生の本の内容の紹介:成果を直下で支えているのは〈技術や知識〉、それを直下で支えているのは〈考え方や価値観〉、さらにその下には〈あり方や存在〉とでもいう階層がある。→作る過程を大切にしている点で共通している。どの方向に、何のためにするのかを大事にしよう。


○堀川さんより『心のカタチ』10年間の歩みを語っていただく:(テレビスライドを使いながら)
*1回から50回までは介護技術を学び、最初はそれが大きな位置付けだった。
〈介護技術を学んだAさん〉:学んだことを父の介護に生かしたが、介護に終始して父とゆっくり話す時間が無かった。ヘルパーさんが来るようになりゆっくり話す時間ができた。介護自体は専門の人に任せ、「心の部分で接していけば良い、家族としてやることがある」と接し方へ移行。
*最初、勉強は重視されてなかったが、30回以降重視されている。技術を背後から支える意味を重視している。最初から「より良い暮らしの為の介護」という視点が重視されていた。



★5周年記念市民フォーラムで北川さんがはっきり語っている。
〈5周年記念での北川さんのスピーチ紹介〉・・ヘルパー時代に直面した=車いす生活を余儀なくされた利用者さんの自殺=「何が悪かったのか?」という思いから、答えを見つける為の術が欲しくて仏教大学へ入学した。そして『くらしの支援NETWORK』発足へとつながった。
  「よりよい暮らしの為の」→「くらしを創る」→「介護のエビジェンス」→「暮らしの介護」→「暮らしを創る」へ
*5周年記念フォーラムゲストの語りを引用紹介 
光島さん:盲学校へ通い地域から外れた。町内活動も「免除」という名目で外される。
体の良い排除だ。「就学猶予」=排除。「あたり前の社会」とは「合理化」社会で、「福祉」とは・・。町内活動は苦役、だから「免除」してあげるという事なのか
小國さん:マイケアプランの紹介。自分が制度を取り込んで利用する、サービスの形を自分たちで考えていこう。若い人たちが障害を持つ人たちと関わらないまま超高齢化社が進む、このままだと人生を見失う。
河内さん:患者家族としての訴え。
光島さん:マニュアルで対応されるのは嫌、形式化ではなくライブ感覚で伝えていく。
北川さん:(介護保険制度の)マニュアルの中身に目を向けた。ガイドブックではなく、『ともに創る』『ともに創っていこう』をキーワードにした。
近藤さん:『信頼』関係をどう作っていくか、やればできる。












*こころのカタチFinal・・こころのカタチ1回目~7回目のテーマを振り返る
*幸福の選択(幸福度より見る):経済の豊かさと心の豊かさはマッチしていない。
  ・現代は「趣味・呑気さ」がトップ。「お金を持つ」は上がっていない。昭和28年は「清く・正しく」がトップだったが、2003年~今、それは6%くらい。「社会に尽くす」も同様で4%くらい。日本の社会的孤立に関する順位は先進国でトップ。
★福祉コミュニテイーへの参加は『自分をいかして生きる』こと・・これが10周年100回を迎える心のカタチ
○役割分担について(案)・・
 司会)橋詰さん・梅田さん
 受付)川本さん・難波さん その他

 

くらしの支援NETWORK 10年の軌跡        くらしの支援NETWORK 10年間の視座

今秋(10月14日)のイベント企画『自分をいかして生きる』、その著者である西村佳哲氏をファシリテーターにお願いして、『みんなで考えよう!』を青少年活動センターの大会議室の場で、みんなで共有する時間を創ることになりました。
会場はアンティーク調、側面すべて窓で、そこから公園の緑が美しく映えています。
この場で、念願であった西村氏とのコラボレーションは楽しみでもあり、どうなるのか身が引き締まる思がします。


最近『公共的倫理』という言葉がよく使われます。
支援NETWORKの5周年フォーラムでも社会学者の近藤敏夫氏が使われていたのですが、当時の私たちの知識では理解に及ばずにおぼろげでしか解りませんでした。
が、その後の5年間の世間の有様を背景に『アーなるほど・・・』とうなずくことが確かにできるようになりました。


政治家も教育者も、事業家も、親も子も高齢者も障害者であっても、一個人としての私が『公共的倫理』を考える位置に立つことの重要性が問われているのだと理解しています。
震災後に浮上しました東京電力の原子力の問題はまさしくそのことを語っているでしょうし、今後も『公共的倫理』というその課題は一人一人の態度にかかっていると思われます。





今回の介護研究会『心のカタチ』ですが、語り手堀川優氏の青春期に障害を負いその実体験からの心のかたち、そしてここ数年来の心のかたち、それは個人のみに当てはめられるものではない『公共的倫理』に基づいたお話であったと思います。


公共的倫理だなんて口にするのは口幅ったい。
という人が多いでしょうが、この荒んだ世間を変えていくのは個人々々しかないと思われるし、本当は経済的に豊かであった高度経済成長期、経済安定期にこそ大切にされてこなければならなかった考え方ではなかったのかと思います。

北川美子







北川美子 支援NETWORK の起源




光島貴之さん 地域活動の免除




河内 一さん 退院後の地域復帰




小國英夫さん ニーズの発露





先月、5周年フォーラムのビデオをみなさんと観ていたら
大切なことが話されていました
1分〜5分くらいの言葉のなかに
くらしの支援NETWORKの〝こころのカタチ〟がみえます




形式的理解  



支援NET の視点 



近藤敏夫さん 信頼価値の構築

  
こころのカタチ、最後の美味しい所だけ聞かせて頂いたような感じでした。難しい事はわかりませんが、言葉、行動、表情、態度、しぐさ、考え方、感じ方、喋り方、雰囲気もっとあるかもわかりませんが、そのすべてから発するもののような気がします。
仕事上、認知症(軽度から重度)の方のこころのかたちを把握するのは,非常に悩みます。頭が痛~いです。ケアプランたてる時期になると奮闘しております。そんなこんなで私事がたくさん入ってすみません。
出席かなり遅れましたが、みな様のお顔が見れて良かったです。

橋詰ひとみ





「10年100回の軌跡」ということでしたが、僕はくらしの支援NETWORKについて、特に最初の頃のことに興味をもって聞いていました。
歳のせいかファイナルという文字を見ると少し寂しくなります。
「こころのカタチ」は、毎回むつかしいことを解りやすい言葉で丁寧に話してくれるので、とても聞き応えがありました。
案内人の熱意・姿勢にはいつも感謝しています。
ありがとうございました。

大幸貴英

 



くらしの支援NETWORKは、ヘルパーメンバーで介護技術向上のために立ち上げられたと理解していた。
私はここ10年の間に両親の介護があったが、お陰様で介護保険制度の訪問介護サービスの利用で父母のこころに寄り添うとても貴重な時間を得ることができた。
この制度はサービスを受ける人に何がしの援助で生活の不自由な部分を補われても、こころが満るかどうかまで考えたものでない。
また、人は地縁・血縁などで助け合い支えあいながら歴史を綴ってきたのに、社会が便利になればなるほど、福祉サービスが充実してくるほど、人として悲しいことに人との関わりがなく(無縁)生きてゆける術が生じる。
そして、私たちは福祉だと錯覚し、高齢者や障がい者を福祉という名で、合理的に人とのかかわりから排除していることが多々ある。
私たちは援助される方が、どんな状態にあってもひとりの人間として自分を生かして、受け身でなく共に生きたい思いがあることを忘れてはならない。
今、やっと今後の私たちのテーマである〝暮らしを共に創る〟ことの意味が、ようやくわかってきた気がする。

石原早苗